馬科学情報

Q&A

日本獣医師会共催講演

 

Q:日本獣医師会獣医学術学会年次大会共催講演について

 

 本学会は2015年2月15日に日本獣医師会獣医学術学会年次大会で、「馬の獣医学~現状と課題そして展望~」というタイトルでシンポジウムを開催しておりますが、今回の共催講演に至った経緯を教えてください。また、この共催講演は今後も継続実施する方向で考えていると聞いていますが、今後の予定についても併せて教えてください。

 

A1:お答え(受稿日:2015.11.27)   安斎 了(元JSES副会長、JRA監事)

 

 日本ウマ科学会には、「馬を専門とする獣医師」が所属しており、またそれら会員がもつウマに関する知識や情報あるいは技術も集約されています。一方、日本獣医師会には、国内の臨床獣医師や衛生獣医師の大半が所属していますが、その多くは「馬を専門としない獣医師」です。現在、大学で馬の臨床あるいは衛生獣医学に関する知識や技術を十分に学ぶ時間は少なく、かつ卒業後に(「馬を専門とする獣医師」を除いては)それを学び直す機会もほとんどないのが現状ですが、そういった「馬を専門としない獣医師」でも業務上の必要により、馬の病気の治療あるいは衛生検査を行わざるを得ないことがあると思います。その場合、馬が満足な診断や治療を受けることができなかったり、あるいは必要な検査や衛生対応が十分に施されなかったりすることが起こり得るのです。

 ご質問のシンポジュウムは、このような現状を少しでも改善することを目的に企画したもので、馬の臨床及び衛生獣医学の基本的な知識と最新情報を日本獣医師会の「馬を専門としない獣医師」に広く普及・啓発し、さらにはわが国における馬の獣医学の今後のあり方について、日本ウマ科学会と日本獣医師会が一緒に考える場になればと思っているところです。

 今後のことですが、上記の目的を達成するためにはシンポジュウムを継続して開催することが必要だと考えており、その内容や形式については毎回検証しながらも、事情の許す限り続けることができればと思っています。なお、第1回のシンポジュウムを終えた段階では、馬の保定法や採血及び予防接種法などといった基本的な知識や技術の普及については、シンポジュウムとは別に技術講習会のような場が必要だとも感じており、今後の課題と考えています。いずれにしましても、ウマ科学会としては馬の専門家集団としてこれからも様々な社会貢献活動を行っていきたいと考えていますので、会員の皆様の積極的な提案と協力をお願いします。