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JVMA平成29年年次大会(大分)本学会特別企画シンポジウムの講演内容

JVMA平成29年度年次大会(大分)における本学会特別企画シンポジウム
タイトル“馬を育てる-馬の心技体-”を獣医師向けに講演
 

 平成30年2月10日(土)から12日(月)までの3日間にわたって大分県別府市別府国際コンベンションセンターにて、日本獣医師会(JVMA)平成29年度獣医学術学会年次大会が開催されます。日本ウマ科学会は、日本産業動物獣医学会との共同企画として、馬の飼養・管理に関するシンポジウム「馬を育てる-馬の心技体-」を、12日午前9:00~12:00に第7会場において開催いたします。この共催シンポジウムの世話役であり、今回の企画の立案者である鹿児島大学の三角一浩教授より講演内容について情報提供がありましたので以下に紹介します。

 わが国は欧米諸国に比べて馬専門の獣医師の数は少なく、またその職場も北海道の馬生産地や競馬関連施設に偏在しています。しかし最近では、競走馬の数が減少する中でも乗馬あるいはホースセラピーのような馬を用いた活動が、全国各地で増加傾向にあり、さらに2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控え、馬の獣医師に対する国民の期待は今後ますます高まると思われます。そのような中、国内各地に点在している「馬の獣医療を専門とはしないものの、馬の臨床や防疫に携わる機会のある獣医師」が、馬獣医学の基本から最新の情報及び技術を学ぶ機会を設けることは、わが国全体における馬獣医療のレベル維持と向上に大変重要と考えられます。そこで、馬獣医学の専門家集団である日本ウマ科学会は、日本獣医師会に協力する形で、産業動物獣医学会の中に馬に関するシンポジウムを企画してきました。

 同企画において、これまで、馬の臨床、馬の感染症、馬の繁殖に関するシンポジウムを開催しましたが、4回目となる今年度のシンポジウムでは、馬の飼育管理に関するシンポジウム「馬を育てる-馬の心技体-」を企画し、4人のパネリストにご講演をお願いいたしました。昨年度は、馬の生産に係わる獣医繁殖学がテーマでしたので、今年度は、生産した馬を健康に育てるための『栄養と躾』を具体的なテーマにシンポジウムを立てました。牧場や乗馬クラブの診療を行う機会のある、日頃は馬を専門としない獣医師の方々にとりまして、馬飼育管理の基礎知識として役立てていただければ幸いと考えた企画となっています。

 日本中央競馬会日高育成牧場の松井朗先生には「馬の身体を創る」というタイトルで馬の食餌・栄養の管理について、日本装削蹄協会の楠瀬良先生には「馬を躾ける」というタイトルで、人と馬との絆形成のプロセスについて、日本中央競馬会宮崎育成牧場の頃末憲治先生には「馬を鍛える」というタイトルで競走馬の初期調教とトレーニングについて、カウボーイアップランチの宮田朋典先生には「馬の技を磨く」というタイトルで馬の精神的なストレスや心理的ケアについてそれぞれ講演をいただく予定です。

 同シンポジウムの座長には、例年と同様、馬を専門とはしないが馬を診る機会のある臨床獣医学の専門家、及び馬獣医学の専門家のお二人に依頼しました。それぞれ山口大学共同獣医学部の田浦保穂教授と鹿児島大学共同獣医学部の畠添孝准教授には、快くお引き受けいただいております。馬の飼育管理における最新の技術や情報の他、現場での知恵やコツなど、様々な情報が得られる貴重な機会ですので、日本ウマ科学会会員の皆様におかれましても、是非参加していただきますようお願い申し上げます。なお、同シンポジウムの開催日程、及び各パネリストの講演タイトルを以下に記載します。

 

【平成29年度獣医学術学会年次大会(大分)】

日時:平成30年2月12日(月・振休) 9:00~12:00

場所:別府国際コンベンションセンター ビーコンプラザ

    B1階 第7会場(小会議室2・3)

演題:馬を育てる-馬の心技体-

1 馬の身体を創る(松井 朗 JRA日高育成牧場)

2 馬を躾ける(楠瀬 良 日本装削蹄協会)

3 馬を鍛える(頃末憲治 JRA宮崎育成牧場)

4 馬の技を磨く(宮田朋典 カウボーイアップランチ)

 

(JSES事務局:三角一浩教授情報提供。2017.12.18)