このコーナーでは、世界の主な馬関連学術集会について、ご紹介しています。現在、事務局で知りえた範囲内で掲載しました。
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国際的な学術集会 |
● ICEEP(International Conference on Equine Exercise Physiology ) |
国際馬運動生理(科学)会議。馬の運動能力に影響を及ぼすトレーニング、栄養、薬物、生理機能などについて、研究発表ならびに情報を交換するために開催される国際学会である。第1回(1982年)はイギリスのオックスフォードで開催され、第5回(1998年)は日本の宇都宮で開催された。なお第10回は2018年にオーストラリアのビクトリア州ローネで開催された。4年ごとに開催され、馬のスポーツ科学に関して最も権威ある学会の一つである。参加者は百数十名程度。各会議でプロシーディングが発行されている。 |
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● WEVA(World Equine Veterinary Association Congress) |
世界馬獣医師会議。このWEVAの目的は、1.馬臨床獣医師の一体化を図るために、国内および国際的な馬獣医協会、馬関連協会のためにフォーラムを提供する。 2.馬の健康、繁殖、福祉に関して、国内および国際的な会合、セミナー、会議等を開催する 3.専門的な知識や技術を、高度に発展した馬協会から、発展途上国への普及を助成すること 4.研究、催し、ショー、レース、スポーツイベント、国際輸送、疾患などを、管理しコントロールすることである。1985年に設立され、隔年で開催されている。 |
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● ICEID (International Conference on Equine Infectious Diseases) |
国際馬伝染病会議。馬の伝染病についての研究発表会ならびに各国の防疫に関する情報交換のために不定期に開催される国際学会である。最近の会議では、馬の国際移動に伴って必要となる診断法や予防法の開発・改良について先端技術を応用した研究 発表や国際交流を推進するための各国の調和と協調を呼びかける議題に集中している。第1回会議は1966年イタリアで開催された。各会議では、プロシーディングが発行されている。 |
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● ICEL(International Conference on Equine Locomotion) |
国際馬歩行カンファレンス。馬の歩行運動に関する研究成果を討議する国際学会である。 第1回はIWAL(国際動物歩行ワークショップ)と称して、1991年にオランダで開催された。第7回は2012年6月にスウェーデンのストレムスホルムで、犬と馬に関するカンファレンスとして開催された。馬に関する演題が多い。 |
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● CESMAS(Conference on Equine Sports Medicine and Science) |
馬スポーツ医科学会議。スポーツ競技馬の情報交換のために開催される国際フォーラムである。 |
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● Horse Genome Workshop(馬ゲノムワークショップ) |
Horse Genome Workshop(馬ゲノムワークショップ)とは、Dorothy Russell Havemeyer nternational Horse Genome Workshop(DRH-IHGW)、国際動物遺伝学会(International Society for Animal Genetics: ISAG)における馬の遺伝学とゲノム科学分科会(Horse Genetics and Genomics Workshop: HGGW)、植物動物ゲノム学会(Plant and Animal Genome: PAG)における USDA-NRSP8支援プログラム馬分科会(Equine I, II)の総称になります。ここ最近では、DRH-IHGWは西暦偶数年(夏季)、ISAGは西暦奇数年(夏季)、PAGは毎年1月に開催されることで、各国の馬遺伝学研究者が6ヶ月毎に参集できます。これによって国際共同研究(全ゲノム解読、全RNA解読など)の推進が図られています。 |
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● ISER (International Symposium on Equine Reproduction) |
国際馬繁殖シンポジウム。ウマの繁殖全般に関わる研究を発表・討論するために発足した学会である。1974年に第1回が開催され、4年ごとに開かれており、20カ国以上から300人近い参加者がある。 |
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● ISEET(International Symposium of Equine Embryo Transfer) |
国際馬胚移植シンポジウム。馬の人工授精、胚(受精卵)移植等の技術向上や、遺伝子工学手法による生産性の向上を目的として設立された専門学会である。4年に一度開催されている。 |
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● International Equine Colic Research Symposium |
国際馬疝痛研究シンポジウム。この学会はBritish Equine Veterinary Associationの主催。4年に1回開催される国際学会である。その内容は、外科手術、寄生虫病学、胃潰瘍、エンドトキセミア、消化管運動の薬理学,術後イレウス、疫学、急性腹症に併発する蹄葉炎、など消火器病を多角的にとらえている。 |
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● ISAG(International Society for Animal Genetics) |
国際動物遺伝学会。血液型に関するワークショップから発展した学会であるが、現在では免疫遺伝学、生化学、分子遺伝学とよばれる研究領域を取り扱う学会である。隔年で開催され、2004年は東京で開催された。この学会に、馬遺伝子地図作製 ワークショップ(International Equine Gene Mapping Workshop)が含まれる。 |
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● ICRAV(International Conference of Racing Analysts and Veterinarians) |
競馬分析化学者および競馬獣医師国際会議。1976年にイギリスが中心となって、競走馬のドーピング規制に関する諸問題に対して各国の関係者が情報、技術交流を行い相互理解を深める主旨で「競走馬のドーピング規制に関する国際シンポジウム」開催された。その後「International Symposium on Control of Horse Doping」、「International Conference on Control of the Use of Drugs in Racehorse 」などを経て、第6回(1985年)からは現在の名称を用いるようになった。2年に1回開催され、AORC年次総会もその国で行うようになった。2006年には日本で開催された。 |
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● AORC(The Association of Official Racing Chemists) |
公認競馬化学者協会。世界の競馬開催国で薬物検査を実施している競馬化学者の技術および情報交換の機関として1947年に発足した。約30数カ国、170名の会員で構成されている。 |
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● International Conference on the Transportation of Competition Horses |
競技馬輸送に関する国際会議。馬輸送(陸路、海路、空路)に関する新しい情報、研究、将来の研究、共同研究などが討議される。 |
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● Annual AAEP(Annual American Association of Equine Practitioners) |
アメリカ馬臨床獣医師会。アメリカ全土から馬臨床獣医師が集まり、研究発表ならびに情報交換するために開催される国内学会である。毎年開かれ、世界各国からも多くの獣医師や研究者が出席する。参加人数は獣医師が約2000人、その家族、展示業者、学生などを入れると約4000人以上になる大きな大会である。 |
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● Annual BEVA(Annual British Equine Veterinary Association) Congress |
英国馬獣医会議。 |
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● Colic Symposium |
疝痛シンポジウム。英国馬獣医師会の主催で開催されている。 |
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● Bluegrass Laminitis Symposium |
ブルーグラス蹄葉炎シンポジウム。この本会議は装蹄師でも獣医でもあるRedden博士の肝いりで「世界的に蹄病を考えよう」という思想のもとで、毎年開催されている。 |
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● Equine Nutrition and Physiology Society |
馬栄養生理シンポジウム。飼料関係の民間会社がサポートする馬栄養生理に関するアメリカの国内向けのシンポジウムである。2年に1回、アメリカ国内で開催され、馬の栄養に関する最も充実した学会の一つとして認識されている。 |
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● Equine Nutrition Conference |
KER馬栄養学術集会。Kentucky Equine Research社が主催し毎年アメリカのケンタッキーで開催されている学会形式のセミナー兼学術集会である。ケンタッキー大学をはじめイギリスやドイツ、フランスなど各国の研究者が最新の情報を紹介し、著名な馬栄養学者が参集する。 |
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●OIE/WHO meetings on equine influenza |
世界的な規模で発生している馬インフルエンザの防疫について討議するため、OIEとWHOの協賛によって定期的に開催されており、JRA総研からも毎回参加して最新の防疫情報の入手に努めている。会議の結論と勧告はOIEに報告され、最新の馬インフルエンザ発生状況やウイルス分離成績にもとづいて作成されたワクチン候補株一覧がOIEの年報に公表される。 |
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●ISWAVLD & OIE Seminar(International Symposium of the World Association of Veterinary Laboratory Diagnosticians and OIE Seminar on Biotechnology) |
世界各国の家畜衛生ならびに食品管理に必要な獣医診断法や食品分析法において適切な診断標準を確立するために、有用な最新の情報提供と交換の場となっており診断技術の発展と標準化に寄与している。OIEの協賛による生物工学セミナーでは世界的なエキスパートが最近の問題点を提起し解決について討議する。このシンポジウムでは、診断科学に関して獣医師や科学者が相互に専門分野で貢献し、国際間または各国の家畜衛生あるいは食品安全に関わる専門家に有益な情報が提供される。 |
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●International Congress of Veterinary Virology |
「国際獣医ウイルス学会」はヨーロッパ獣医ウイルス学会主催により3年おきに開催され、獣医ウイルス学に関するあらゆる問題点について討議される。会議は基調講演、口頭ならびにポスター発表で構成される。 |
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●ISVEE(International Symposium for Veterinary Epidemiology and Economics) |
獣医疫学と獣医経済学に関する研究を推進する国際的な非営利組織である国際獣医疫学・経済学会が主催する国際シンポジウム。会議は3年毎に世界各地で開催され、危機管理、畜産、食品安全、公衆衛生、教育などに関する最新情報の交換の場となっている。1976年にイギリスで初めて開催された。 |
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日本の学術集会 |
● 日本ウマ科学会(Japanese Society of Equine Science)※当サイト |
日本における唯一の馬専門学会で、1990年に設立された。この学会の目的は、馬に関する基礎的、応用的研究の推進と学術の国際交流を図り、その成果を社会に還元することである。 |
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● 競走馬に関する調査研究発表会 |
日本中央競馬会主催の主として部内発表会で、競走馬に関する日常の試験・研究・工夫等の成果について発表・討議を行うことにより、専門技術者として必要な知識および技術の向上を図り、競走馬の資質の向上に寄与することを目的としている。 |
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● 馬感染症研究会 |
本研究会は技術部会と研究部会から構成され、馬防疫検討会の活動の一つとし、農林水産省、農研機構・動物衛生研究部門、日本中央競馬会および(公社)中央畜産会の主催で開催されている。 |
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● 生産地における軽種馬の疾病に関するシンポジウム |
JRA主催で、競走馬の生産・育成に関わっている者を対象に、年1回開催されている。 |
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