馬科学情報

世界のウマ研究機関一覧

 

 現在世界では多くの研究機関においてウマに関する研究が行われています。ここでは中でもメジャーな研究機関をご紹介いたします。研究内容の検索や留学先の検討にご活用ください。
 この他にも取りあげるべき研究機関をご存じでしたら、是非事務局まで情報提供をお願いいたします。

 



 

<日本の主な馬の研究機関>


● 競走馬総合研究所(Equine Research Institute)
1959年創立。日本唯一の馬の研究機関であり、日本中央競馬会(JRA)に所属する。2016年に本所機能を下野市に移転し、4つの研究室(運動科学、臨床医学、微生物、分子生物)があり、常磐支所(いわき市)に競走馬のリハビリテーション施設がある。
 
日高育成牧場 生産育成研究室(Hidaka Training and Research Center) 
生産地の基盤強化や強い馬づくりを推進するための施設として生産育成研究室があり、若馬のスポーツ栄養学や運動飼養管理、および繁殖に関する研究が実施されている。
 
● 競走馬理化学研究所(Laboratory of Racing Chemistry) 
1965年創立。公正かつ第三者的な立場で競走馬の薬物(Doping)検査を厳正に行うために、わが国唯一の馬の薬物検査機関として発足した。総務部、事業部(薬物検査課、分析開発課)、管理調整室、遺伝子分析室がある。事業部の主業務は、中央競馬、地方競馬で出走した競走馬の薬物検査(尿、血液)であり、研究部門では、新しい分析法の開発や改良、血統登録に必要な親子判定,個体識別に関する遺伝的な研究が実施されている。
 
● 軽種馬育成調教センター(Blood Horse Training Center:BTC) 
1991年創立。競走馬の資質の向上を図り、安定的な競馬の発展に寄与するとともに、育成技術者の養成および育成技術の改善・普及・引退名馬の繋養展示等を行うことにより、優秀な競走馬資源をかん養し、もって軽種馬生産の図ることを目的として設立された。日高育成総合施設軽種馬育成調教場の運営・管理をJRAから委託されている団体である。総面積は1,500ha,イギリスのニューマケットやフランスのシャンティなどに匹敵する広大な草原を利用したグラス馬場、屋内の施設として1,000m直線ウッドチップ馬場、600m砂馬場、700m坂路馬場、また屋外の施設として1,600m、800mの砂馬場、直線の砂コース1,600m、1,200mなどがある。個々で、軽種馬の競走能力向上に関する調査研究が実施されている。



 

<海外の主な馬の研究機関>


● New Bolton Center Sports Medicine(アメリカ) 
1994年設立。馬のスポーツ医学センターでは、馬の研究、臨床、教育および福祉に関わる事業が集約的に行われている。研究としては、運動と能力(Exercise and Performance Laboratory)、装蹄(The Farrier’s Laboratory)、整形外科・分子生物学( Orthopedic Molecular Biology Laboratory)、比較整形外科研究( Richard S. Reynolds S, Jr. Comparative Orthopedic Research Laboratory)などが最近実施されている。
 
● Equine College(フィンランド) 
1993年設立。大学レベルの学校として、装蹄師、調教師、サドル職人、乗馬セラピー、乗馬インストラクターなどになるための教育をする学校である。施設内の一部は、フィンランド農業研究センターのEquine Unitがあり、運動生理学、栄養、繁殖生理、遺伝、環境を研究の5つの理念としている。
 
● Equine Guelph(カナダ) 
Tayler(Northern Dancerの所有者) 基金により1973年設立された。1997-98年には、7つのプロジェクト研究(ロードコッカス・エクイ、馬の細胞性免疫、気道疾患、電解質バランス, 関節軟骨、マイコトキシン、骨血流)が実施された。
 



 

<馬を含む家畜の病院・研究機関・その他>


● Cornell Vet Med Equine Hospital 
 
 
● Iowa State Univ. Equine clinical Service 
 
 
● The Maxwell H. Gluck Equine Research Center 
 
 
● Equine Parentage Verification and Research Laboratory
 
 
● University of Kentucky Livestock Disease Diagnostic Center
 
 
● Central Veterinary Research Lab. 
 
 
● ICAR-NATIONAL RESEARCH CENTRE ON EQUINES 
 
 
● Animal Health Trust 
 
 
● Australian Equine Dental Practice (Australia) 



 

<競馬関係組織>


● International Federation of Horseracing Authorities (IFHA) 
 
1961年にアメリカ、フランス、イギリス、アイルランド4カ国の競馬統括機関が集まり、競馬の高潔さを守り、かつ競走原理にもとづく優秀な血統を維持するための組織を設立した。その後、1967年に世界の主要な競馬統括機関がパリに招集され、国際会議(パリ会議)が開催された。1993年には世界各国の競馬統括機関が加盟して国際競馬統括機関連盟(IFHA)を設立し、現在54カ国65団体が加盟している。毎年、IFHA主催で競馬と競走馬の生産に関する協調と合意を得るため国際会議が開催され、各加盟国における競馬・生産に関する成績の統計が公表される。執行協議会がヨーロッパ、南北アメリカ、アジア地域の代表者によって組織され、JRAからアジア代表として選出されている。
 
● The permanent Liason Committee on the International Movements of Horses (PLCIMH) 
 
「馬の国際移動に関する常設委員会」は国際競馬統括機関連盟のなかの一委員会として1995年に設置され、1996年の第1回会議からはJRA競走馬総合研究所栃木支所職員が代表者として出席している。委員会の目的は競走馬の国際間の円滑な輸出入、競走馬の保健衛生に関する国際的な協議事項の継続的管理、競走馬の特殊性を考慮した衛生規約の改善・緩和、加盟国の衛生規約に関する競馬施行規定の緩和、繁殖用馬に対して競走馬と同様に取扱うことを推進することである。この常設委員会では国際競馬統括機関連盟に加盟する8カ国の委員からなるワーキンググループが構成され、馬の疾病に関する調査ならびに予防、輸出入検疫に関する諸問題、国際競馬とそれに関わる国際間の移動についてガイドラインを作成している。
 
● Asian Racing Federation (ARF) 
 
1960年にJRAの坂井理事長とラングーン・ターフクラブのKhine氏によってAsian Racing Conference (ARC) が設立された。1992年に執行協議会が組織され、オーストラリア、香港、インド、日本、ニュージーランドならびに次回会議開催国の代表が委員として選出される。その後、2001年の第28回会議でAsian Racing Federation (ARF)と改名された。ARFの加盟国は現在19カ国で、その目的は加盟国間の親善と競馬の相互理解、現行の規定や規則を遵守し、高潔で威信のある競馬の発展と競走馬の生産促進、競馬を保護するため各国競馬施行団体に共通する有用な対策と計画の推進、競馬に関する諸問題の情報交換、国際競走の推進と奨励である。過去には1960年、1969年、1985年の3回、日本主催の会議が開催されている。
 



 

 
<人文科学関連>

 

 

<博物館等>


1.National Horseracing Museum(競馬博物館) 
(1) 国:イギリス
(2) 住所:99 High Street, Newmarket ,Suffolk CB8 8JL(Tel 01638-667333)
(3) 展示物:エクリプスの骨格、F.デトリガ1996年アスコットで7連勝したときの勝負服、ゴドルフィンの絵など。
 
2.JRA競馬博物館(JRA Racing Museum) 
(1) 1991年開館
(2) 住所:〒183-8550 東京都府中市日吉町1-1 JRA東京競馬場内(Tel 042-314-5800) 
(3) 展示物:顕彰馬の公開、競馬の歴史的発展と現在の仕組み、さらに映像やロボットなどによる教育普及コーナー
 
3.馬の博物館(Negishi Equine Museum)(根岸競馬記念公苑内) 
(1) 1977年開館
(2)住所:〒231-0853 神奈川県横浜市中区根岸台1-3(Tel.045-662-8105)
(3)馬と人との交流によって生まれた様々な文物を、常設展示で自然史・歴史・民俗・美術工芸・競馬などの幅広い分野にわたって紹介している。